坊主バー



明治から昭和の中頃まで花街として栄え東京の
真ん中にありながらノスタルジックな香りが漂う荒木町。

その一角に「坊主バー」なる小さなお店があります。

入り口には「南無阿弥陀仏」の大きな看板と会員制と
かけた「檀家制」のサインが・・・。

一瞬はいることをためらうが、店内に漂うお香、
バーテンダーの作務衣姿、仏壇、曼荼羅、経典と
直球勝負のディスプレイ。

極楽浄土、無限地獄、蓮華、愛欲地獄、クリクリ坊主なる
カクテルメニューが並んでいる。
お坊さんがカウンターに座って、話し相手になり、
尼さん出没の時は、人気があってシークレットだとか。

お坊さんと仏教談義する者、人生哲学を語る者、深刻な
墓地の後継問題を語る女性同士のお客さん、静かに
一人カウンターでお酒を飲む女性は、大きな悩みを抱えて
いそうな感じ・・・。

「坊主バー」を英語で書くと「Vowz Bar」で「VOW」は
「誓い、願い」を意味しているので、仏の願いと坊主に
かけてのネーミングだ。

お寺は、いろんな人々が出入りして語り合う、開放された
場所なので、そんなお寺がもっている「すべての人が
水平に出会える」場所を、都会の真ん中に作ったのだ。

初代のお坊さんは、それなりに哲学をもって運営していた
ように見えるが10年もたって代が変わると、店の運営
という現実的な問題も抱えて方向性も変わってくる。

サプライズで終わってしまうのか、それとも成仏でき
るのか・・・?欲が出てしまえば終わり、「成仏は向こうから
やってくる」とは、今日の坊主バーのお坊さんの説教でした。

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坊主バー への2件のフィードバック

  1. makoto-jin-rei のコメント:

    いつかは行きたかったお店
    「仏教オタク」で「飲兵衛」の私、
    このお店にはいつか行きたいと思っておりました。
    昼間に店の前を何度か通りかかりましたが、
    「檀家さん」ではない「一見さん」には、
    なんとも入り辛い雰囲気ですよね。

  2. 和尚 のコメント:

    makotoさま
    ちょっと知らないと腰が引けちゃいますね。。。
    でも、このあたりはどこも知らないと入れない
    お店ばかり
    でも案外はいると、違和感なくとけ込んじゃう
    かもしれませんよ

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