中秋の名月



「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」は有名な芭蕉の句です。
昨日の中秋の名月は、実に綺麗でした。

♪つぎの夜から 欠ける満月より 14番目の月が
いちばん好き♪と歌うユーミンの感じもスゴクわかりますが、
やっぱり満月は美しい・・・。

月を愛で、この時期の空気が澄んでいる満月は特に美しいので
「お月見」なんていう風習も生まれたのでしょう。
お隣の中国では、大々的に月餅が発売され、日本のバレンタインデー
さながらの盛り上がりです。

おもしろいのは、日本では「うさぎが餅つき」をしているように
見えますが、彼らは「薬草をひいているうさぎ」にみえるとか。
欧米に行けば、蟹とか本を読む少女、インディアンの女性とか
いろいろです。最初に教えられた先入観が大きく影響している
のでしょうね。

真言宗では、この満月を使って瞑想する「月輪観」(がちりんかん)
という方法があります。
なぜ満月かというと、「仏心は満月の如し」という言葉があるからです。
丸くて欠けることのない姿、涼やかであり、光り輝く、穏やかさが
仏の心を象徴しているからでしょう。

やり方は、楽な姿勢で座り、浅くなく、深くなく、何より意識して
宇宙に満ちた力を吸い込み、体の中の汚れを押し出す呼吸をします。

呼吸が苦しくなく落ち着いたら、目の前に満月(月輪)を心に留めて
いきます。光輝く美しい満月を、目を閉じていても見えるかのごとく
意識を集中していくのです。

それができたら、強く意識を集中させた月輪を自分の心の中に引き寄せます。
さらに、引き寄せた月輪の球をどんどん大きくしてゆくのです。

自分の体の大きさにそして家の大きさ、町の大きさ、国の大きさ、
地球の大きさ、最後に宇宙全体を覆うぐらいの大きさの球になるように
広げていくのです。
その状態を少し保ち、後は今の逆を行って元の大きさの戻していきます。

心が落ち着きますよ。

カテゴリー: 金剛院和尚のブツブツ雑記 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください