「まさか」という坂


人生は上り坂、下り坂ともう一つ「まさか」と
いう坂があるようだ。普段から元気で病気とは、
まったく縁のなかった友人の奥さんが入院した。

「お互いに年だからね」と冗談を言ったものの、
まさか彼女が入院するとは考えもしなかった。
それは友達も同じことでオロオロするばかりだ。

彼は家庭の事は何一つしない。だから、何処に何が
入っているのか、食事の支度は、子供の世話は・・。
どうしていいのか、わからなくなってしまい奥さん
よりも大変な状態なのだ。

いつもの生活を「あたりまえ」と思っていたことが、
「あたりまえ」ではなくなってしまう。

お見舞いから帰ると、最愛の奥さんを亡くされた
お檀家さんがお参りにこられていた。
まだまだ、涙は消えない・・・。

「お帰りなさい~」と奥さんの明るい声。
すべての営みに、おもわず感謝の気持ちで
いっぱいになった。

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「まさか」という坂 への2件のフィードバック

  1. yosi のコメント:

    ほんとうに
    私も昨年に家内を亡くしました。
    いままで会社ばかりで、生活が
    変化すると、気がつかなかった
    ことばかりです。
    人間として何をしてきたのか・・・。
    恥ずかしい限りです。

  2. 和尚 のコメント:

    どんな人にも・・・
    ステキな奥様だったんですね。
    yosiさんばかりではなくて、
    みんなそうな風にして生きている
    のかもしれません。
    心が癒されて行くまでには時間も
    かかるでしょう。ご無理をなさらずに。

    人生の中で、何かを気づくことが
    本当の人生を「築く」こと・・・。

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