拓本をとりました



お寺の境内に建立されている石造物に刻まれている
文字を拓本にとりました。

洗顔してカット綿で顔に化粧水をつけるように、
石の汚れをとり、水をつけて紙を貼り付けます。

その上から布のタンポンで墨を紙に叩きつけていきます。
そうすると彫りのある部分は白く、何もないところは
黒く浮き上がります。

墨の種類、タンポン布の柔らかさや堅さ、ムラができない
ように均等に墨を叩きつけていかなければなりません。

あまり強く叩きつけると紙が破けてしまいますし、
弱いと墨がのらないし、丁寧に作業していると
紙の水分が乾いて、紙が剥がれ落ちてきてしまいます。
簡単そうにみえますが意外とむずかしいものです。

拓本をとると石面の文字がハッキリと確認できます。
こういった資料を保存しておくことも和尚の仕事の
一つです。

今は、どんな文字も機械で彫ることができますが、
昔は手彫りです。堅い石を複雑にカットして、そこに
文字や梵字を彫っていくことは、相当な時間と「念」が
必要だったことでしょう。
本当に先人たちの強い思いが伝わってきそうです。

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