仏さまに毎日あげるお仏飯は、炊きたての白米と
決まっています。自分たちが毎朝、食べるものを
差し上げることが大事だからです。
ところが、最近は白米を食べなくなりました。
毎朝決まって口にするものといえば、トーストと
コーヒーというご家庭も多いでしょう。
ならばお供えは、パンとコーヒー?
普通のご家庭ならば、亡くなった方の好きな物
とか、フレンチトーストでも良いかもしれません。
でも、お寺となるとちょっと抵抗があります。
ご本尊様にフレンチトーストとコーヒーという
わけにはいかないと、例えパンを食べたくても、
朝ご飯を食べなくてもご飯を炊いて差し上げなければ
なりません。
ご本尊さまは、美味しいパンとか食べたく
ないのかしら・・・と思う反面、そんなことは
できないという自分がいます。
「決められたこと」という慣習にとらわれて、
そこから抜け出すのが怖いのか?それとも何か
大切なことが崩壊していくのが怖いのか?
それは、良くテレビで見る官僚の「前例が無い」と
いう答弁に似ているかもしれません。
お坊さんの世界で長年の伝統を守っていくことは、
とても大切なこと。でも、その伝統を創造的に
作りあげていくことも、これから大切なことだと
思っています。
和尚の寺の本尊様にフレンチトーストがあがったとき
お寺が大きく変わるかもしれないと、一人でニンマリ
しちゃいました。
ちなみに写真は金の仏飯器。お値段は70万円だそうです。
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