赤は特別な色

6月も後半戦。梅雨入り宣言もでて、あじさいが綺麗な季節に なりましたね。 さて6月を「水無月」といいますが、同じ名前の和菓子があるのを ご存知ですか? 白いウイロウの上にたっぷりの小豆をのせたもので、見た目にも 涼やか、お茶にもよくあう上品なお菓子です。 この水無月、6月30日の「夏越の祓」の日に食べる風習があります。 夏越の祓は、お正月から半年の間にたまった厄を払って、一年の 後半戦を乗り切ろうという行事・・・。 なぜこの日に「水無月」が食べられるようになったかというと、 上にのっている小豆に邪気を払う力あると考えられていたからです。 昔から赤や朱色は特別なパワーをもった色で、魔除けの効果が あるとされていました。 おめでたい席でエビやタイなど赤い食材が並ぶものそんな理由 からです。 そして、小豆たっぷりのお赤飯もハレの日には欠かせない料理と なっていったわけです。 お寺や神社の建物に朱色が多く使われているのも同じ理由から ですが、そのため赤や朱色は特別な色として、普通の建物では 気軽に使ってはいけないものになっていきました。 特に建物の顔である門については厳格で、江戸時代には幕府の 許可がなければどんな大大名といえども赤門を建てることは許さ れませんでした。 金剛院の赤門は、250年ほど前、大火の際に多くの人々を助け た当院和尚の善行により、徳川家治公から特別に許しをいただ いて建立したものです。 先月、1ヶ月半にわたる改修も無事に完了いたしました。 金剛院はお寺ですから「夏越の祓」は行いませんが、由緒ある 赤門にも厄払いのご利益があるかもしれませんね。 (茅の輪くぐりならぬ赤門くぐり?)。 きれいになった赤門を見学がてら、どうぞお参り下さい。

Tags: