釈迦涅槃曼荼羅(しゃか ねはん まんだら)

釈迦涅槃曼荼羅金剛院が所蔵している「釈迦涅槃曼荼羅(しゃかねはんまんだら)」はお釈迦さまが沙羅双樹(さらそうじゅ)のもとで、涅槃にはいる光景が描(えが)かれています。涅槃とは聖者が亡くなることを言います。

このときお釈迦さまは、北を枕に西を向いて身を横たえました。いわゆる北枕です。 そのそばに八本の樹木がありましたがこれが沙羅の木で、東西南北のそれぞれ二本ずつ生(は)えていたことから、沙羅双樹と呼ばれています。 この沙羅の木は、お釈迦さまが亡くなるとき、つぎつぎと枯(か)れてしまい、人の世の無常を示しました。 お葬式のときに銀色の花が飾(かざ)られるのはこのためです。

またお釈迦さまのまわりには、多くの弟子たちや動物など、この世の生きとし生けるものが集まって悲しみに暮れました。 お釈迦さまは、そのなかで静かに涅槃にはいったそうです。 そのもようを伝えるのが涅槃図です。

金剛院の「釈迦涅槃曼荼羅」は、嘉永(かえい)2年(1849)二月に、長崎村檀中より寄進されたものですが、そのことは明治10年(1877)の『寺院明細簿』に記されています。