六地蔵尊(ろくじぞうそん)

六地蔵尊金剛院の墓地の入り口に、六地蔵尊ほか三体の地蔵尊が安置されています。
この地蔵尊は、一蓮托生(いちれんたくしょう)地蔵尊ともよばれ、元文(げんぶん)元年(1736)に造立されました。
六体の地蔵尊は、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)のどこにでもいて救済の手をさしのべてくれるといいます。
人間は死ぬと、この六道のいずれかにゆくといわれ、その六道のそれぞれにあって、私たちを導いてくださるわけです。

また地蔵尊は地蔵菩薩といい、大地の恵(めぐ)みを仏格化した仏さまです。
地蔵菩薩はお釈迦さまが入滅(にゅうめつ)した後、弥勒仏(みろくぶつ)が出現してくるまでの無仏時代に、衆生済度(しゅうじょうさいど)を受け持つ菩薩として、奈良時代の頃から、人びとの厚い信仰が寄せられました。

衆生済度というのは、私たちを迷いの苦しみから救うことを意味しています。
とくに地蔵尊は幼児の救済をうけもつ仏さまと考えられ、水子供養や賽(さい)の河原の仏さまとなり、よだれかけがかけられるようになりました。