花に心はあるのか?


来日したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマが、先日、脳科学者の
利根川進博士と対談を行いました。

ダライ・ラマといえばノーベル平和賞を受賞され、中国でのチベットの過酷な
状況を改善すべく粘り強く、また不屈の精神で戦っておられる方・・・。
とても気さくで人格的にも素晴らしい方だと世界的に評価されています。

一方、」利根川博士は、遺伝子構造の解析によりノーベル生理学・医学賞を
受賞された日本を代表する脳科学者です。

宗教と医学の畑違いの二人の対談だったのですが、そこでおもしろい
やり取りがありました。

司会の方が、テーブルに飾ってある花を指差し、ダライ・ラマに尋ねました。

「花に心はありますか?」

ダライ・ラマは、すぐに「ノー」と答えました。
すると利根川博士が、ダライ・ラマに反論を始めたのです。

分子レベルの動き、心とは何か、花から出ている人間の耳には聞こえない
高周波の音・・・。要するに科学的には、花は「無意識」ではなく、明確に
「意識」あるいは「意思」がある可能性が高いということでした。

宗教家は、「花に心はある」、科学者は「花に心はない」と答えるのならば
何となく自然に思えるのですが、おもしろい結果です。

教え的に双方の考えは、よくわかりませんでしたが、ダライ・ラマと
利根川博士との「花の心」問答は、平行線をたどります。

そして最後に印象に残る話がありました。

チベットには、草木がほとんどなく、砂漠の中に少ない生物が身を寄せて
生きている。

一方、日本は国土の七割以上が森林で、いたるところに生命があふれている。

自然に触れる機会が圧倒的に多い日本人だからこそ「花にも心がある」と
考えられるのではないかと・・・。

日本人は多文化を受け入れやすい包容力がある民族性だと言われますが、
それは日本が持つ豊かな自然のおかげなのかもしれませんね。

そして、インドから輸入された発達した日本の仏教は、自然の豊かさに
よって日本的に育まれたのでしょうか?

 

カテゴリー: 金剛院和尚のブツブツ雑記 パーマリンク

花に心はあるのか? への1件のコメント

  1. 塩冶 城春 のコメント:

    ダライラマ法王様、日本から応援しています。シナなんかに負けないでください

塩冶 城春 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください