被災地で東日本大震災「四十九日法要」



昨日は、東日本大震災でなくなられた方々の四十九日でした。

真言宗豊山派の御本山、奈良県長谷寺や、東京の大本山護国寺
ではダライラマ法王によって、また仏教青年会や各寺で四十九日の
法要が行われました。

和尚は、被災地である福島県相馬市で行われた真言宗豊山派有志による
合同の法要に参列してきました。

早朝、東北道の高速で福島へ向かいます。開通したとはいえ、
地震のための段差があり、かなりバウンドしながらの走行・・・。

福島市内のお寺へお見舞いへ・・・。山門で目についたのは「和顔世」
「笑顔をたやさず」にの張り紙でした。

日によっては福島市は放射能が他の地域に比べて3倍だとか。
「放射能があっても、この寺を守っていく覚悟を決めました」とは
ご住職の言葉・・・。

飛びきりの笑顔でお接待を受け、お見舞いのつもりが逆に励まされて
しまいました。

福島~相馬間は、桃の花が満開・・・。タンポポも路傍を黄色に染めて
花々も何かを感じ咲いているのでしょうか?

でも相馬の海岸線は、無残でした。テレビで見るより、その場に立つと
かなりの広範囲であることがわかります。すでに海になってしまった
ところ、砂に埋没した子どものおもちゃや写真、そして砂嵐・・・。
お経を読む声が風に消されます・・・。

合同法要に参列される方なのでしょうか?喪服の家族との無言の挨拶・・・。
なんだか映画の中のような現実ではないシーンのようでした。

いまでも自衛隊の方々の姿が見えます。捜索をされているのでしょうか?
本当にご苦労さまです。

相馬の四十九日忌合同法要では、津波がお寺の2メートル先まできた
お寺のご住職さまが計画されて市内のセレモニーホールで行われました。

遺影を胸に抱く人、遺骨をかかえる人、位牌を強く握りしめる人など、
たくさんの方々が、あふれるほど集まっています。

お坊さんも各地から200名ほど参加されました。

すすり泣く声の中で、法要式場に向かいました。するとそのとき
遺影を抱く少女と目があってしまいました・・・。

涙で潤んだその寂しそうな不安な目・・・涙があふれてきてしまいました。

回向する人間としては失格ですね。でもこの場所は一人では、あまりにも
重すぎました。だから200人の僧侶のお経は、大地の中に海の中に
響き渡り、そして伝わったことでしょう。

この法要で参列お焼香された方々のお気持ちが、少しでいいいから安心して
ちょっとでも前を向く気持ちに切り替わるきっかけになってくれたらと思います。

炊き出しのボランティアで参加されていた電撃ネットワークの南部虎弾さん、
アントキの猪木さんなども参列してくれました。

それぞれの人が、それぞれの立場で「何かをしなければ・・・」と、思っていた
気持ちが、ここには結集していたように思います。

そして会場には、こんな張り紙がありました。

やまない雨がないように

終わりのない悲しみもない

一人じゃないよ・・・

真言宗豊山派

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被災地で東日本大震災「四十九日法要」 への2件のフィードバック

  1. Unknown のコメント:

    護国寺での
    ダライ・ラマによる法要は本日行なわれる予定になってます。

  2. ゆあん のコメント:

    ようやく…
    ようやく、昨日 従姉妹にお線香をあげられました…。
    でも、やっぱり涙が止まらなくて。

    まだまだ見つかっていない方々がたくさんいて、毎日たくさんの方々が捜索や片付けをして下さいます。

    前を向くしかないけれど、犠牲になった方々の分まで
    しっかりと生きねば…

    そして、関わって下さっている全ての方々に 心から感謝しております。

    相馬同様、南相馬も少しずつ日常が戻ってきています。

    とっても嬉しいです。
    バッタリ友達や子供たちに会えるのも、何より嬉しいです。

    子供たち、とても辛い思いをしているのに
    『帰ってきたのー?』
    と満面の笑みでした。

    子供たちの笑顔に、私も笑顔になりました。

    たくさんの笑顔が、みんなの力となりますように…

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