平安時代以来・・・初めて!



天台宗の半田孝淳座主が、6月15日に真言宗の総本山高野山金剛峯寺
(和歌山県高野町)である「宗祖降誕会」に出席する。天台宗トップが
高野山へ公式に参拝するのは、真言宗、天台宗が開宗した平安時代以降初めて。

という「朝日.com」 など各社のニュース・・・。

半田孝淳座主は和尚の友達の父上です。半田スマイルといわれるくらい
その笑顔に触れれば、むずかしい問題も簡単に解決してしまうほど魅力の
ある座主さまでいらっしゃいます。

この記事を読んだ方が誤解をされた方も多いかもしれません。

一つ目は・・・真言宗の総本山は高野山なの?
二つ目は・・・真言宗と天台宗は、平安時代から仲が悪いの?

両方ともNO!!です。

高野山は、弘法大師が修行の場所として選んだ場所であり、そこで
亡くなった(入定という)ところです。

実際に真言宗を広め、その根本道場であったところは京都の東寺です。

じゃ、真言宗の総本山は東寺かというと、これも微妙な感じ・・・。
「総」の字が、正確な表記ではないのかもしれませんね。

二つ目は、ちょっとオーバーな感じでケンカしているような印象ですが、
表記は正しいかもしれません。

エラ~~イ方はどうかわかりませんが、普通に交流してお付き合いして
いる方々も大勢いるし、天台&真言の方々などがコラボで聲明(お経)の
ご披露を国立劇場などでしています。

この「初めて」という表記には深い訳があって・・・。

天台宗を開いた最澄と真言宗を開いた空海は、唐(中国)で学んだ
留学生仲間で、帰国後も交流を続けました。

唐において、空海は密教の本流を学び、最澄も密教を学びましたが
完全なものではなかったようです。

だから帰国後には、最澄が空海の元へお経を借りにいったり、空海の
居る高雄山寺に行き、空海から直接に密教の灌頂(かんじょう)を受けて
空海の弟子となっているのです。

そんな関係の中で、ある経本の借用を最澄が求めたとき、空海は
阿闍梨として「密教というものは文章を読んでわかるものではなく、
実践的修行によってえられるものだ」として、その経本の貸し出しを
拒否したのです。

その後に交流がなくなり、それぞれが信じる道を歩み初めただけの
ことです。

6月15日は、真言宗では宗祖・弘法大師空海が誕生された日です。
青葉の美しい時期なので「青葉まつり」といわれ高野山も賑わいます。

天台宗の半田孝淳座主の御登嶺は、それに花を添え、さわやかな風と
生命力あふれるる仏の威徳お示しくださることでしょうね。

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平安時代以来・・・初めて! への4件のフィードバック

  1. グレムリン のコメント:

    青葉まつり
    青葉まつりは、空海の誕生日にもかかわらず
    あまり知られていませんね。残念です。
    高野山の奥の院には、弘法大師さまが今でも
    おられるとか・・・。
    今年の夏過ぎにお参りの予定です。宿坊に泊まりたいと思っているのですが、和尚様は、どこか良い宿坊を、ご存じですか?

  2. 和尚 のコメント:

    グレムリンさま
    奥の院をお参りすると、弘法大師さまと普通に
    お話されている方がいます。いまでもそこに
    おられるんもでしょう。

    宿坊はさまざまです。精進料理の素晴らしい
    総持院さん、ちょっとお安くなって露天風呂も
    ある福智院さん。
    興教大師さまの宿坊、密厳院さんなどはリーズナブル
    で泊まれるところもあります。
    宿坊でガイドさんを事前に頼んでおくと良いかも
    しれません。
    ゆっくりとお参りくださいね。

  3. 寿 のコメント:

    Unknown
    私は今年のGWに長谷のぼたん祭りの後
    高野の地蔵院に泊まりました!
    半田座主って90歳以上なんですよね。
    3月に京都で見かけた時、早足で小走りに
    私の歩いていて、驚きました!!!

  4. 和尚 のコメント:

    寿さま
    座主さま、お元気というか動くことが苦に
    ならない身軽な方なんですよね~~~。
    自分が90歳のときなんて・・・・・
    まったく自信がない

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