なんかおかしいけれど?



運慶作とみられる「大日如来座像」が10日から上野の
東京国立博物館で一般公開されるそうです。

この像は、栃木県鑁阿寺奥の院とされた樺崎下御堂の
法界寺にあったものだといわれていわれていますが、
明治時代の神仏分離令で一体は光得寺に移され、下御堂の
像は行方が分からなくなっていました。

神仏分離令という誠に勝手な政策のために、混乱によって
盗まれたり迷子になった仏像が、オークションにかけられ
手数料も含めて約14億円という金額で売買されたのです。

大日如来像の研究では、極めて権威のある清泉女子大教授、
山本勉氏の鑑定もあって、鎌倉時代の仏師・運慶による可能性が
高いと判断されたために、オークション会場では異様な空気だった
といいます。

この大日如来像は高さ66・1センチで、表面に金ぱくが施され
ヒノキ材をくりぬいてつなぐ方法で作られています。

像の内部をエックス線で調査したところ、木札や水晶製の
五輪塔が納められていることが分かりました。

しかも、この像の特徴が、頭部の高く結い上げた髪にあり、
文献状の形と違うところが、極めて研究に値する所でも
あり、今後の調査のために所有者から同博物館に預かって
一般公開されることになりました。

今回の出来事は、国宝とか重文には指定されていなかった
ために文化庁も買い取りの折り合いには、積極的ではなかった
ようでオークションに出品されてしまったとか・・・。

危うく国宝級の貴重な仏像が海外に流出するところでした。

「文化の薫る○○~」なんてキャッチフレーズを付けますが、
文化的なものは、国の考え一つによって良くも悪くも左右
されます。

仏像などは、またまだどこかに埋もれているものもある
可能性は高く、それが解ったとき、こうした動きが起こらない
ことを祈ります。

日本の宝であり仏さまですから、お金の対象となってしまう
ことは悲しい限りです。

そんなことには一切関係なく運慶作の大日如来さまは、涼しげな
稟としたお姿をしておられますね。

ぜひ今回の公開時には、たくさんの方が手を合わせられることを
祈りたいと思います。

(写真は東京国立博物館提供のもの)

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なんかおかしいけれど? への2件のフィードバック

  1. bunchan00 のコメント:

    運慶
    この座像が運慶作の「大日如来座像」。
    買い主さんの何とかで
    東京国立博物館で見られるのですね。

  2. 和尚 のコメント:

    bunchanさま
    そうです。
    この機会を逃すとお目にかかれない
    かもしれません

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