ブッククロッシング



広島・長崎での平和記念式典が今年も終わりました。
当地の資料館を訪れれば、原爆という事実の実態が
わかります。

「国が平和でなければ個人の幸せはない」
「戦争は絶対してはならない」

平成4年に亡くなられたお檀家さんの言葉でした。

その妹さんが、『私の集団疎開』という本を自費出版
されました。当時、小学校4年生であった彼女は、
自分の回りの友達が一人ずつ、いつの間にかいなく
なることが不思議であったといいます。

そして自らも両親や兄弟とも別れて一人で山形へ
集団疎開することになりました。

10歳の少女が長刀で戦う訓練を受けずにすんだとは
いえ、重い肥桶を担いで食糧生産をし、すべて自分で
自分のことをして責任を持たなければならなかったと
いいます。

「平和はいつでも何処にでもあるものではない。多くの
犠牲の上に今があるのだ」
「感謝とともに小さなことにも関心をもって生活してほしい」と
彼女はいいます。

「住職さん!読んだら次の人に読んでもらってね!」

ブッククロッシング・・・アメリカのホーンベイカー氏によって
発案された、読み終えた本を次の人に読んでもらえるよう
にする運動です。

いまは、誰が何処で読んでいるのでしょうかね・・・?

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ブッククロッシング への2件のフィードバック

  1. bunchan のコメント:

    集団疎開
    我が老夫も集団疎開をして、
    ひもじい思いをしたそうです。

  2. 和尚 のコメント:

    bunchanさま
    戦後生まれの和尚としては、話しを聞くだけでは
    ピンと感じるものがなく、展示物や映像、書物とか
    を通して、戦争のことを考えます。
    過去帳にも、あきらかに戦争で亡くなった方々の
    お名前が並びます。
    本当に心が痛みます。

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