地獄めぐり



仏教が持つリアルな死生観は、日本に伝わったとき大きな影響を
およぼしました。地獄の様子なんて、かなりインパクト大!

一方で「地獄の沙汰も金次第」なんて言葉も・・・。
これは中国の影響ですかね?

すでに冥府そのものが、官僚化していて賄賂をわたせば
どうにかなるという話がつくられたり・・・。

お坊さんがどれだけ地獄の凄惨さを語って、または絵図にして
見せても、民衆は恐がりつつもしたたかで、ひょいと逃げ道を
思いついちゃう・・・ということでしょうか?

地獄を怖がりつつも、案外と怖いもの見たい気分もあって、
地獄になぞらえた風景を観に行ったり、落語のネタにもなったり・・・。

日本では火山が活発なので、そういう高地で硫黄の煙なんかが
もくもく上がっている場所で「地獄体験ツアー」を催したり
しちゃいます。

いえ、いいんです。怖いもの見たさがあったとしても、「地獄」に
模してある風景で擬似的に体感して、「やっぱり地獄へ落ちるよりは
極楽へ」と考えて善行をつんでくだされば!!

そういえば上方落語に「地獄八景亡者戯(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)」
というのがあります。

とても長い落語ですが、要所要所にその時代に見合った時事ネタが
盛り込まれ、なかなか面白いものです。

サバを食べて死んだ主人公が、仲間四人で地獄のあちこちをめぐり、
すっとぼけた機転で鬼を手玉にとって困らせるという内容です。

恐ろしい地獄を娯楽の中にとりこむ民衆のしたたかさに
舌を巻く想いですね。

これをもっと判りやすく子供向けにアレンジした絵本もあります。

「じごくのそうべえ」といって、なんともう30年以上のロングセラー!
愉快な極彩色の絵とともに地獄をめぐる内容で、主人公だけでなく
鬼たちもとてもユーモラス。

大人が読んでも、つい微笑みがこぼれます。こうした娯楽も、仏教が
あればこそ、ですね。

地獄を堪能したら、明日からは仏さまへのお祈りとともに「善行」を
忘れないようおねがいしますね~~。

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