「いのりのかたち」を伝えて



『金剛院だより』2010年夏号でお知らせした、
仏教美術の展覧会「いのりのかたち」が、東京・表参道の
根津美術館で始まっています。

ホールに入ると、3世紀作という弥勒菩薩像や6世紀の
如来三尊像など、迫力満点の石仏群がお出迎え・・・。

これらの石仏はケースには入れられておらず、間近に
拝めるのが素晴らしいです。

今回の展示の中心となっている「金剛界八十一尊曼荼羅」は、
密教の最も大切なお経(根本経典)である「金剛頂経」が説く
堅固な悟りを81の尊体で示した、2メートル四方ほどのものです。

9世紀に唐へ渡った僧・円仁が持ち帰った曼荼羅を鎌倉時代に
精密に書写したものとされ、かつては滋賀県の湖東三山の一つ
金剛輪寺に伝わっていました。

後の曼荼羅に比べると、仏さまの表情が厳しい感じです。
原作が描かれた当時の唐の様式が、よく再現されています。

ほかにも面白い展示があって、お釈迦さまの前世の善行と
現世での歩みを絵と文章で解説した「絵過去因果経」は、特に
興味をそそられます。

鎌倉時代の作品ですが、今風に言うと「まんがで学ぶ仏教入門」の
ような感覚だったのでしょうね。

14世紀の初めに朝鮮半島で描かれた阿弥陀如来の掛け軸は、
お顔がより男性的な感じがします。

根津美術館には、建物が新しくなってから初めて出かけたのですが、
エントランスの竹庭はなかなか風情があっていい感じです。

日本庭園を眺めながらお茶や軽食が楽しめるカフェもあります。

会期は8月8日まで。なかなか鑑賞する機会のない、古代の
「いのりのかたち」を伝える仏教美術に触れるチャンスかも・・・。

根津美術館のホームページ
http://www.nezu-muse.or.jp/

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