芸術の秋、仏教の秋



日が落ちるのもすっかり早くなりました。
聞こえてくる虫の音も、ジージー、ミンミンからコロコロ、リリリ……と、ずいぶん涼しげに変わりましたね。

秋といえば芸術の秋。美術館や博物館がこぞって大型企画を連発する時期なので、ふだんアートは
敷居が高いわ……という方もぜひ、お近くの施設を訪れてみてください。

東京の情報ばかりで恐縮ですが、東京青山の根津美術館ではこの秋、仏教的にもとても気になる
企画展が催されます。

その名も「ほとけを支える 蓮華・霊獣・天部・邪気」

ふだんはどちらかといえば見落とされがちな、仏さま、仏像を支えるものにフォーカスしたという
展覧会で、 仏さまの乗り物として最も有名な蓮の花や、 四天王が踏みつける邪気といった「支え」を
見つめることで、多様な仏さまの姿を見てみようという趣向なのだそうです。

なるほど確かに、仏さまの台座、乗り物には様々な種類があり、どの仏さまはどんなものに
乗るというルールも多々定められています。

有名なところでは普賢菩薩の白象、文殊菩薩の獅子、摩利支天のイノシシ、など。 孔雀明王はその名の通り
クジャクの背中に座ったお姿であらわされますが、クジャクはコブラなどの毒蛇でも食べてしまうほど悪食で、
人間の苦悩のもととなる悪い心も食べて悟りに導いてくれるのだとされます。

乗り物の動物が、その仏さまの功徳まで表現しているわけですね。

おなじみのあのお地蔵さまの像にも、甲冑を身につけて武器をもち、白馬にまたがった「勝軍地蔵」という
お姿があります。

もっとも勝軍地蔵は神道などともミックスされて生み出された、日本オリジナルの仏さまとされますが、
白馬に乗った、王子さまならぬ仏さま。意外な感じがしませんか?

展覧会では動物だけでなくさまざまな台座についても展示があるようですから、どのような内容に
なるのかとても楽しみです。

上野にある東京国立博物館では、9月26日から日本で一番有名な仏師である運慶展が
開催されます。

運慶は、平安時代から鎌倉時代にかけて、奈良・京都を中心に活躍した方です。
運慶の仏像の魅力は、その全体のバランスのよさはもちろんですが、それにも加えて力強いリアリティが
あります。

そして、何か内面の「魂」をも感じる作風は独特で、それは素人の方が見ても感じるかと思います。
父康慶、息子の湛慶、康弁という三代に亘って展示される最大の運慶仏像展なので、ことらも、お見逃しなく。

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